<自民憲法改正草案>民主と差別化狙う 「保守回帰」強く
自民党が27日に発表した新たな憲法改正草案で、自衛隊を「国防軍」、天皇を「国家元首」とするなど強い保守色を打ち出したのは、早期の衆院解散を求めながら政党支持率が低迷していることを背景に、「自民党の原点である保守」(幹部)に立ち返り、民主党との差別化を図る狙いがある。次期衆院選での保守層の支持拡大を意識するが、自民党の「保守回帰」ぶりに対し、公明党や自民党内からも懸念が出ている。
「結党の原点に返らなければならない。(現行憲法は)日本人自身の手ではなく、占領下でつくられたことは厳然たる事実だ」。自民党の谷垣禎一総裁は27日、党本部での記者会見で、1955年の結党以来の党是である自主憲法制定への思いを強調した。
自民党の新草案には、党綱領を持たず、護憲派から改憲派まで混在する民主党の「国家観の欠如」(自民党幹部)をあぶり出す思惑がある。09年の政権交代以降、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題など外交・安全保障で民主党政権の対応が迷走したことに対し、有事の際に首相の権限を強化する緊急事態条項を新設するなど「国を守る姿勢を示す」(中堅議員)ことも意図した。自衛隊については、2月末にまとめた原案では05年の憲法草案と同じ「自衛軍」としていたが、その後、「陸海空軍」「防衛軍」案なども浮上。最終的に、戦前の軍隊を想起させるため05年草案では見送った「国防軍」に落ち着いた。
ただ、保守色を前面に出しすぎることには、党内から「都市部の支持が広がらない」(若手衆院議員)などの不安の声も上がる。党内では目立たなくなったリベラル派の議員は、憲法改正の発議要件を緩和したことに「憲法改正がしやすくなりすぎる」と指摘する。
選挙協力を組む公明党は、集団的自衛権の行使容認に対し「安易に認めると自衛隊員が命まで失う道を開く」(山口那津男代表)と懸念。公明党幹部は「自民党は野党になってから保守回帰がひどくなり、バランス感覚を失った」と語る。【念佛明奈】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120427-00000107-mai-pol
※この記事の著作権は配信元に帰属します。
「結党の原点に返らなければならない。(現行憲法は)日本人自身の手ではなく、占領下でつくられたことは厳然たる事実だ」。自民党の谷垣禎一総裁は27日、党本部での記者会見で、1955年の結党以来の党是である自主憲法制定への思いを強調した。
自民党の新草案には、党綱領を持たず、護憲派から改憲派まで混在する民主党の「国家観の欠如」(自民党幹部)をあぶり出す思惑がある。09年の政権交代以降、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題など外交・安全保障で民主党政権の対応が迷走したことに対し、有事の際に首相の権限を強化する緊急事態条項を新設するなど「国を守る姿勢を示す」(中堅議員)ことも意図した。自衛隊については、2月末にまとめた原案では05年の憲法草案と同じ「自衛軍」としていたが、その後、「陸海空軍」「防衛軍」案なども浮上。最終的に、戦前の軍隊を想起させるため05年草案では見送った「国防軍」に落ち着いた。
ただ、保守色を前面に出しすぎることには、党内から「都市部の支持が広がらない」(若手衆院議員)などの不安の声も上がる。党内では目立たなくなったリベラル派の議員は、憲法改正の発議要件を緩和したことに「憲法改正がしやすくなりすぎる」と指摘する。
選挙協力を組む公明党は、集団的自衛権の行使容認に対し「安易に認めると自衛隊員が命まで失う道を開く」(山口那津男代表)と懸念。公明党幹部は「自民党は野党になってから保守回帰がひどくなり、バランス感覚を失った」と語る。【念佛明奈】
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